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引きの動作の重要性について

**引きの動作の重要性

──“人は押すより、引けると動ける”**

多くの人は「押す」「踏ん張る」ことで動こうとします。
しかし実際に身体を動かすうえで本当に大事なのは、
**“引く動作”**です。



① 引くと身体は自然に安定する

例えば、
• 立ち上がる
• 歩き出す
• 方向転換する
• 階段を上がる

これらの動作で大事なのは「押し込む力」ではありません。

身体は、
“引く”ときに最も安定しやすい
という特性を持っています。

理由は簡単で、
引く動作は 重心が身体の中心に戻る からです。
逆に押す動作は重心が前に飛び出し、
転倒のリスクが上がります。



② 引く動作は『使えていない筋肉』を呼び起こす

高齢者や痛みのある方は、
どうしても前側(太もも・胸・首)ばかりに力が入ります。

これが典型的な「押す身体」。

しかし本来、
歩行・立ち上がりで必要なのは背面の筋肉です。
• 臀筋
• ハムストリング
• 広背筋

これらは “引く”動作で初めて働く筋肉。

つまり、
引く動作=眠っている筋肉を再起動するスイッチ
とも言えるのです。



③ 引く力が身につくと、歩行の質が“根本的に”変わる

私が現場で行っている
「力を抜かせて、使いすぎの筋肉を休ませ、使えていない筋肉を呼び起こす」
という方法。

その中でも、
引きの動作を入れるだけで歩行は劇的に変わります。

たとえば…

● つまずきが減る

足を前に“押し出す”歩行は転倒リスクが高い。
足を「後ろに引ける」ようになると、
重心が安定し、つま先が自然に上がります。

● 歩幅が安定する

引くことで骨盤が立ち、足が振り子のように出ます。
無理なく歩幅が広がり、歩きが軽くなる。

● 腰痛が軽減する

押す歩行は前ももに力が入り、腰を反らせてしまう。
引く歩行は背面が働くため、腰の負担が減ります。



④ “引ける”人は立ち上がりが美しい

立ち上がり動作でも同じです。

多くの人は前に押し出して立とうとします。
しかし本来は、

① お尻を後ろに“引く”
② 足裏で床を軽く引く
→ 重心が前に整い、スッと立てる

この順番が正しい立ち上がり。

押し込むのではなく、
引くことで身体のエンジンが自然に入る のです。



⑤ 引きの動作は、脳の反応が早い

実は人間の原始的な反射として、
・引く → 身体を守る
・押す → 身体を危険にさらす

という特性があります。

だから引く動作は脳が素早く反応し、
安全で、再現性の高い動きにつながる。

認知症の方や脳梗塞後の方でも、
“引く指示”の方が通りやすいことがあります。



まとめ

**引きは「身体の中心を取り戻す動作」。

押しは「身体を外に飛ばす動作」。**

だから、
歩行も立ち上がりも、再現性を高めるには
押すよりも、まず引く。

これはあなたが現場で体験してきた
“人が変わる瞬間”の核心そのものです。

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