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手のひらは“心と体のスイッチ” ──手のひらの向きが体に与える影響──
私たちは、日常生活のほとんどの動作において「手のひらを下に向けて」使っています。
スマホを持つ、鞄を持つ、机の上で作業をする、立ち上がる、歩く。
この姿勢は自然であり、当たり前の動作です。
しかし、この「当たり前」が身体にどんな影響を与えているか。
意外と知られていません。
手のひらを“下”に向けると身体は戦闘モードになる
人間は防御姿勢や力を入れる時、必ず手のひらを下に向けます。
スポーツで構える姿勢、重い荷物を持つ瞬間、
緊張して肩が上がるときも同じです。
手のひらを下にすると体の前面が閉じ、
胸が縮まり、呼吸は浅くなります。
これは「力を集める姿勢」であり、
言い換えれば守るための姿勢です。
この姿勢が続くと
✔ 肩こり
✔ 胸郭の硬さ
✔ 呼吸の浅さ
✔ 自律神経の緊張
こういった不調に結びつきます。
手のひらを“上”に向けると身体は受容モードになる
ヨガの最後のポーズ、 シャバーサナ(屍のポーズ)
ここで必ず手のひらは上に向けられます。
これは「力を入れない」「受け入れる」ための姿勢だからです。
手のひらを上にすると
・胸が自然に開き
・呼吸が深くなり
・酸素が身体に入りやすくなります
意識せずとも身体が「リラックスの方向」に向かう。
手のひらは、筋肉だけでなく自律神経にまで影響を与える
不思議なスイッチのような役割を果たします。
介護の現場で大切なサイン — “膝に手をつく立ち上がり”
私が臨床の現場で一番注目している場面が「立ち上がり」です。
若いころ、人は無意識に――
手のひらを上に、あるいは使わずに立ち上がります。
しかし年齢を重ねると、
🔻 手のひらを下に向け、膝に当てて立ち上がる
この動作が頻繁になります。
これは
筋力で立つ → 支えて立つ
という変化の始まりを示す、小さなサインです。
この動きが日常化していくと、
“立ち上がりの自立度”が失われていきます。
介護認定における
要支援 → 要介護
へと進む分岐点とも言えるため、
私はこの手のひらの動きを重要な評価の一つとして見ています。
今日からできる簡単セルフケア
ぜひ数秒だけ、試してみてください。
✔ 椅子に座り、手のひらを上に
✔ 肩を落として深呼吸
✔ 胸の広がりと、気持ちの変化を感じる
手のひらの向きは、
心がどうあるか、体がどう使われているかを映し出します。
“手のひらひとつ”
それだけで身体は変わります。
身体は小さな変化から整います。
今日のあなたが、少しでも軽く、楽に過ごせますように。
歩行改善コンサルタント
竹下 晃
訪問リハビリマッサージ エンゲルハント