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和の環境は、暮らしながら整う「生活リハビリ」だった
- 昨日、利用者さんとの会話の中で大きな気づきがありました。
それは、和の環境(和室・引き戸・布団など)の“所作”そのものが、身体を整える運動になっているということです。
リハビリというと「運動を頑張る」「訓練をする」というイメージが強いかもしれません。
でも本当は、日常動作の質が変わるだけで、身体は少しずつ変わっていく。
和の暮らしには、そのヒントがたくさん詰まっていました。
和の所作が“体にやさしい”理由
和の動作には、共通点があります。
- 脇を締める(余計な力が抜ける)
- 体の軸で動く(ねじれや偏りが減る)
- 小さく・丁寧に動く(安全で疲れにくい)
- 床からの動きが多い(下半身と体幹が自然に働く)
結果として、特別な運動をしなくても、
**「使えていないところが目覚め、使いすぎているところが休む」**流れが生まれます。
具体例:暮らしの中にある“和のリハビリ”
1)引き出しを引く動作
引き出しは、ただ「腕で引く」と肩や首に力が入りやすい。
でも、脇を締めて、背中と体幹で“スッ”と引くと、力みが減ります。
これは姿勢づくりにもつながります。
2)引き戸の開け閉め
引き戸は、ドアのように押し込むよりも、
体の重心移動でスライドする動きになりやすい。
自然に“軸”の練習になります。
3)布団の上げ下ろし・床からの立ち上がり
ベッドは便利ですが、生活動作が少なくなりがちです。
布団の生活では、
- 床から起きる
- 立つ
- しゃがむ
- 持ち上げる
という動作が増えます。
これらは全部、下半身・体幹・バランスの練習です。
つまり、暮らしの中で「必要な動き」が増える。
目指したいのは「頑張る訓練」より「整う環境」
私がこれからつくりたいリハビリ道場は、
“運動を頑張る場所”ではなく、暮らしの流れそのものがリハビリになる場所です。
- 何回やったか、より
- 日常の動きが“自然に整っていく”こと
これが続けば、体はちゃんと応えてくれます。
ただし大事なのは「安全設計」
和の暮らしは素晴らしい反面、転倒リスクもあります。
特に高齢の方、麻痺やパーキンソン病などがある方は、環境の工夫が必須です。
- 立ち上がりやすい高さ(座布団の重ね方など)
- 手を添えられる支え(壁・手すり・安定した家具)
- 滑りにくい足元
- 動線を短く・シンプルに
「和の環境=そのまま安全」ではなく、
**和の良さを活かしながら“安全に設計する”**ことが大切です。
まとめ:暮らしが変わると、体が変わる
和の環境には、
力を抜いて、軸で動いて、自然に整うための仕掛けがたくさんあります。
リハビリは、気合いだけでは続きません。
だからこそ、私は「生活の中で、知らないうちに整っていく」仕組みを大切にしたい。
これからも、現場での気づきを、わかりやすく発信していきます。