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「横になる配慮」と「座れる力」をどう両立するか
- 昨日、施術で施設へ伺った際、ご利用者さまがマッサージチェア(リクライニング)で横になっている場面に出会いました。
理由を伺うと、体の傾きが強く、首が反ったり後傾しやすく、安定しにくいからとのことでした。
パーキンソン病を併存し、認知症もある方なので、姿勢の崩れや緊張が出やすい条件が重なっているのは理解できます。
横になれることは「ありがたい配慮」
リクライニングで横になれること自体は、負担軽減・安全確保という点でとても大切です。
「楽になる」「転倒や事故のリスクを下げる」――これは現場では非常に重要な視点です。
それでも、私が感じた“別の心配”
一方で、横になる時間が増えるほど、
座る力・起きている力・体力が落ちやすくなり、結果として“歩く力”が遠のいてしまう
という懸念も強く感じました。
ご家族からは「歩けるようになってほしい」という要望がある。
だからこそ、施設側の配慮と、歩行につながる関わりをどう両立するかが大切だと思います。
目指したいのは「無理に座らせる」ではなく「座れる環境をつくる」
自立支援という言葉を振りかざすのではなく、
負担が少ない形で“座位の時間を守る”工夫を少しずつ増やすこと。
たとえば、
- 体の傾きを支えるクッション配置(骨盤・体幹が安定する位置)
- 首が反りやすい方には、顎が上がりすぎない角度調整
- いきなり長時間座るのではなく「数分×回数」で体を慣らす
- 座位が整ったら「立つ前の準備運動(足部・股関節・体幹)」を短く入れる
こういった小さな工夫が、
「座れる」→「立てる」→「一歩」へつながっていくと感じています。
最後に
施設には施設の事情があります。安全面もあります。
だから一概に「ダメ」と言いたいわけではありません。
ただ、歩いてほしいという願いがあるなら、
その願いに近づくために、できる範囲でいいので、
“起きていられる時間を守る” という視点も、現場に残していけたらと思います。
ご利用者さまの今の状態に合わせて、無理なく、でも確実に。
「歩く未来」をあきらめない支援を、これからも続けていきます。