ブログ
BLOG

HOME > ブログ > 「今困っていない」からこそ必要な、身体の“保険”という考え方

blog

「今困っていない」からこそ必要な、身体の“保険”という考え方

本日は、脳梗塞後の右麻痺の方(現在は施設入所中)とのやりとりを通して、改めて考えさせられたことを書きます。

ご家族からは「将来、ご自宅に戻ったときのために訓練をしてほしい」というご希望があり、これまで様々な練習を積み重ねてきました。

一方でご本人は「日常生活では特に困っていない」と感じている場面もあります。

施設では基本、車椅子中心の生活であり、歩行練習が難しい状況もあります。

しかし、ご自宅へ戻ったときには、生活導線の中で歩行が必要になる場面は必ず出てきます。

つまり歩行に関しては、“やれた方がいい”ではなく、“やらなければならない(マスト)”になりやすいのです。

ただし、歩行だけに焦点を当てれば良いわけではありません。

転倒、ふらつき、立ち上がり動作、起き上がり動作――

在宅生活では「その瞬間に助けが間に合わない」こともあり得ます。

だからこそ私は、訓練の中でいつもお伝えしています。

困ったときほど、身体の中心である 「お尻(骨盤)」を起点にして考える こと。

「お尻をどう動かせば、今の動作ができるか」。

ここに意識を戻せるだけで、動きの迷いが減り、身体の使い方が整理され、結果として安全性が高まることがあります。

そしてもう一つ、現場で強く感じるのは、

何もしなければ身体は固くなるという現実です。

麻痺がある方は特に、放っておくと筋緊張が強くなり、関節可動域も狭くなり、結果として転倒やケガのリスクにつながります。

しかし定期的に手を入れ、身体を整えていくと、

筋肉の質感が変わり、動きが滑らかになり、可動域が保たれていきます。

これは「劇的な変化」というより、**“悪くならないための積み重ね”**であり、長い目で見れば大きな差になります。

その時、ふと頭に浮かんだのが、

「私たちの役割は、生命保険のようなものかもしれない」という考えでした。

今困っていないからこそ、

“もしもの時”に困らない身体を準備しておく。

起き上がりや立ち上がり、歩行も、ただ行うのではなく、

手足への意識の乗せ方、身体の中心の使い方を丁寧に整えながら、将来の安心につなげていく。

今回のやりとりは、仕事の意義、そして自分の存在意義を改めて見つめ直す時間にもなりました。

これからも「困らないための底力」を一緒に育てながら、希望の一歩を届けていきます。

SHAREシェアする

ブログ一覧

HOME > ブログ > 「今困っていない」からこそ必要な、身体の“保険”という考え方

© 2025 訪問・マッサージ エンゲルハント