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頑張らないで頑張るリハビリ 〜歩行を楽にする工夫とは〜
- 今日は施設で、右麻痺の方の歩行訓練として、廊下でのウォーキング練習を行いました。
歩行の中でよく見られるのが、顔や目線が下がってしまうことです。
もちろん、目線を上げることは大切です。ですが、長く身についてきた姿勢や歩き方の習慣は、そう簡単には変わりません。
だからこそ私は、
「どうしたらもっと自然に、無理なく歩けるか」
をいつも考えています。
まずは物理的な工夫から
歩行を楽にするためには、まず基本的な身体の使い方を見直すことが大切です。
たとえば、
- 杖を少し外側に置く
- 歩幅を前後左右とも少し狭める
こうした小さな調整だけでも、体にかかる負荷が減り、歩きやすくなることがあります。
これは特別なことではなく、歩行の土台になる大事なポイントです。
歩くことに意識を向けすぎると、かえって疲れることもある
歩行訓練では、どうしても
「ちゃんと歩こう」
「転ばないようにしよう」
「足を出そう」
と、意識が歩くことそのものに集中しやすくなります。
しかし、意識を向けすぎることで、逆に体が緊張し、疲れやすくなることがあります。
そこで大切なのが、
歩くことから少し意識を逸らしてあげることです。
五感や気持ちを使って歩行を楽にする
廊下での歩行訓練では、景色が大きく変わるわけではないため、視覚による刺激はあまり期待できません。
そこで、他の感覚を使う工夫が役立つのではないかと感じました。
1. 耳を使う
好きな音楽や心地よい音を聞きながら歩くことで、歩行そのものへの意識が少し軽くなります。
イヤホンやオーディオなども、状況によっては一つの方法になるかもしれません。
2. 口を使う
飴をなめたり、舌を少し動かしたりするだけでも、意識が分散されます。
歩くことばかりに集中しなくなることで、体や頭が楽になる可能性があります。
3. 心を使う
「今日のお昼ご飯は何かな」
「今度の旅行が楽しみだな」
そんな小さな楽しみを思い浮かべることも、立派な助けになります。
歩行中に楽しいことを考えるだけで、表情がやわらぎ、体の緊張も抜けやすくなることがあります。
一番簡単で、一番効果的かもしれないもの
今日改めて感じたのは、
笑顔の力です。
笑顔は、ただ気分の問題ではありません。
表情筋や呼吸、身体全体の緊張の抜け方にも関わってきます。
本当に楽しくなくても大丈夫です。
作り笑顔でも構いません。
少し口角を上げるだけでも、身体の力みがやわらぎ、歩行がスムーズになることがあります。
笑いヨガでも学びましたが、笑いには身体をゆるめる力があります。
私は特に、力みの少ないやわらかな笑い方が、歩行の助けになると感じています。
リハビリは「頑張る」だけではない
リハビリというと、
- 頑張ること
- しっかり意識すること
- 真面目に取り組むこと
が大切だと思われがちです。
もちろんそれも大事です。
ですが実際には、
- 力を抜く
- 意識を分散させる
- 楽しい気持ちを使う
- 笑顔をつくる
こうしたことの方が、体にとって良い結果を生むこともあります。
私はこれを、
「頑張らないで頑張るリハビリ」
だと思っています。
無理に頑張るのではなく、
自然に、楽に、前へ進める工夫を見つけていく。
これからも、そんな歩行支援を大切にしていきたいと思います。