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「右足を上げてください」では上がらないのに、「お尻を上げてください」だと上がる理由


  1. こんにちは。

    訪問リハビリマッサージ エンゲルハントの竹下です。

    今日は、麻痺のある方への施術中に、あらためて感じた大切な気づきをお話しします。

    「右足を上げてください」と言うと、上がらない

    施術中、麻痺側の右足に対して、

    「右足を上げてください」

    とお声かけした場面がありました。

    するとご本人は、首を振って

    「上がらない」

    という反応をされました。

    左足は上がる。

    でも右足は上がらない。

    これは麻痺のある方では、よく見られる場面のひとつです。

    ただ、ここで改めて思ったのは、

    “動かない”のではなく、

    “動かそうと意識した瞬間に、かえって動けなくなっていることがある”

    ということです。

    意識を変えると、右足が自然に上がった

    そこで今度は、

    「右足を上げてください」

    ではなく、

    「お尻を上げてください」

    とお声かけしてみました。

    すると不思議なことに、右足そのものを上げようとしていないのに、結果として右足が自然に曲がり、ふっと上がる形になったのです。

    つまり、

    右足を直接動かそうとした時には動かなかったのに、

    お尻を上げるという別の目的を持った時には、右足が自然に参加してきた、ということです。

    直接の指示が、逆に緊張を生むことがある

    これはとても大切な視点だと思います。

    私たちはつい、

    「動かしたいところを直接指示すればいい」

    と考えがちです。

    ですが実際には、

    「右足を上げてください」

    という言葉そのものが、ご本人にとっては“できるかどうか”を試されるような感覚になり、緊張につながることがあります。

    その結果、

    • 力が入る

    • 身体が固まる

    • 本来出せるはずの動きまで出にくくなる


    ということが起きるのだと思います。

    一方で、

    「お尻を上げてください」

    という声かけになると、意識は右足そのものから少し外れます。

    すると、右足に入っていた余計な緊張が抜けて、必要な動きが自然に出やすくなる。

    この違いはとても大きいと感じました。

    リハビリで大切なのは、「頑張らせること」だけではない

    リハビリというと、どうしても

    「意識して頑張る」

    「できない動きを繰り返す」

    というイメージを持たれやすいかもしれません。

    もちろん、意識して取り組むことも大事です。

    ですがそれと同じくらい、

    どうすれば余計な意識を外せるか

    どうすれば無意識に近い形で自然な動きが出るか

    を考えることも、とても大切です。

    身体は、強く意識した時よりも、別の目的に向かって自然に動いた時の方が、うまく働くことがあります。

    「無意識化させる訓練」にヒントがある

    今回の気づきから、改めて感じたのは、

    訓練とは、ただ動かそうとすることではなく、自然に動ける条件を整えることでもある

    ということです。

    ご本人が

    「できない」

    と思っている動きでも、

    意識の向け方を変える

    声かけを変える

    目的を変える

    それだけで、動きが出てくることがあります。

    この“無意識の中で自然に出る動き”を引き出していくこと。

    そこに、リハビリの大きな可能性があるように感じました。

    まとめ

    麻痺のある方に対して、

    「右足を上げてください」

    と言うと上がらない。

    でも、

    「お尻を上げてください」

    と言うと、結果として右足が自然に上がる。

    この違いの中には、

    • 意識が緊張を生むこと

    • 意識の向け方で動きが変わること

    • 無意識の動きを引き出す大切さ


    が詰まっていると思います。

    これからも私は、

    ただ「やってください」と指示するだけではなく、

    その方の身体が自然に動きやすくなる入口を探しながら、関わっていきたいと思います。

    歩けないのではなく、

    動きが出る入り口がまだ見つかっていないだけかもしれない。

    そんな視点を、これからも大切にしていきます。

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