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転ばないために動かないのではなく、また外に出るための準備をする
- こんにちは。
訪問リハビリマッサージ エンゲルハントの竹下です。
今日は、両膝にサポーターをつけ、シルバーカーを使って歩かれているご利用者様の施術をさせていただきました。
その方との会話の中で、私からこのようにお聞きしました。
「普段、お家の外には出られていますか?」
すると、ご本人様は、
「病院以外は外に出ていない」
とおっしゃいました。
日常生活では、ベッドからトイレ、ベッドからリビングへの移動が中心。
食事のためにリビングへ行き、それ以外の時間はベッドで横になっているか、座って過ごすことが多いとのことでした。
転倒経験が行動範囲を狭くしてしまう
以前、その方は転倒されたことがあるそうです。
ご家族、特に息子さんからは、
「もう転ばないで」
と言われているとのことでした。
これは、とても自然な言葉だと思います。
ご家族としては、また転んでほしくない。
骨折してほしくない。
入院してほしくない。
その思いがあるからこその言葉です。
ただ、現場で多くの方を見ていると、転倒をきっかけに行動範囲が一気に狭くなることがあります。
外に出なくなる。
歩く距離が短くなる。
トイレと食事以外は、ほとんど動かなくなる。
すると、転倒は防げているように見えても、身体は少しずつ「歩かない生活」に慣れていきます。
動かないことも、歩けなくなるリスクになる
もちろん、無理に歩くことは危険です。
外反母趾があり、両膝にサポーターをつけている方であれば、歩行時の不安や痛みもあると思います。
シルバーカーを使っていても、外出には段差、坂道、玄関、道路、人混みなど、さまざまな不安要素があります。
だからこそ、いきなり外出を目指すのではなく、まずは日常生活の中で、
「いつでも外に出られる身体の準備」
をしておくことが大切だと感じます。
ベッドから立ち上がる。
トイレまで歩く。
リビングまで移動する。
椅子に座る。
また立ち上がる。
この一つひとつの動作が、実は外出につながる大切な練習になります。
病院に行くためだけの歩行から、人生を広げるための歩行へ
今回、私が強く感じたのは、歩行とは単に「移動するための手段」ではないということです。
病院に行くためだけに歩く。
トイレに行くためだけに歩く。
食事をするためだけに歩く。
それももちろん大切です。
でも本来、歩く力はもっと広い意味を持っています。
外の空気を吸う。
季節を感じる。
近所を少し散歩する。
家族と一緒に出かける。
もう一度、好きな場所に行く。
歩くことは、その方の人生の行動範囲を守ることでもあります。
エンゲルハントが大切にしていること
エンゲルハントでは、ただ痛いところを揉むだけではなく、
その方がこれからどんな生活を取り戻したいのかを大切にしています。
転ばないことは大事です。
でも、転ばないために動かなくなり、結果として歩けなくなってしまうのでは、本当の意味での安心にはつながりません。
大切なのは、危険を避けながらも、少しずつ身体の準備を続けることです。
今すぐ外に出られなくてもいい。
でも、いつか外に出たいと思った時に、身体がその希望に応えられるようにしておく。
そのための施術であり、リハビリであり、日々の関わりだと思っています。
まとめ
今回のご利用者様との会話を通して、改めて感じました。
歩く力は、生活の範囲を守る力です。
そして、外に出る力は、その人の人生の可能性を守る力です。
転ばないために、ただ動かないのではなく、
また外に出る日のために、今できる準備をしていく。
エンゲルハントは、そんな一歩を大切に支えていきたいと思います。