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紐を使った歩行支援で気づいたこと 〜「支えること」と「緊張を生むこと」は紙一重〜

こんにちは。
訪問リハビリマッサージ エンゲルハントの竹下です。

今回は、施設で行ったパーキンソン病の方への歩行支援の中で、私自身が改めて学んだことについてお伝えします。

その方は、最近かなり足で支える力が弱くなってきています。
立っている時にも膝が曲がりやすく、廊下を歩くことも以前より大変になってきました。

前回はお部屋までの歩行でしたが、今回は廊下を少しだけ距離を取って歩いていただきました。

そこで私は、少しでも歩行が楽になればと思い、紐を使って「電車ごっこ」のような形で歩行支援を試みました。

しかし、今回はその方法がうまくいきませんでした。

ご本人が紐を強く握ってしまい、その握る力によって体全体に緊張が入ってしまったのです。

歩行が不安定な方にとって、何かにつかまりたいという気持ちは自然なことです。
膝が曲がり、足で踏ん張る力が弱くなっている状態であれば、なおさら不安は強くなります。

しかし、そこで強く握ってしまうと、体はかえって固まります。

手に力が入る。
肩に力が入る。
体幹が固まる。
足が出にくくなる。

そうなると、歩行はかえって難しくなってしまいます。

今回の経験で改めて感じたのは、歩行支援においては「支えること」と「緊張を生むこと」は紙一重だということです。

支えているつもりでも、相手がそこにしがみついてしまえば、それは安心材料ではなく、緊張の原因になることがあります。

特にパーキンソン病の方や、足で支える力が弱くなっている方の場合、不安や恐怖心が体の動きに大きく影響します。

筋力だけの問題ではありません。
気持ちの不安定さ、体の緊張、支え方、声かけ、距離、環境。
そのすべてが歩行に影響します。

今回、私は「この方法なら楽になるかもしれない」と思って試しました。
しかし、実際にはご本人の緊張を強めてしまいました。

現場では、こうしたことが起こります。

だからこそ大切なのは、うまくいかない方法を無理に続けないことです。

「これは違う」
「今の状態には合っていない」
そう感じたら、すぐにやめる。

そして、その方にとって今いちばん安全で、少しでも安心できる方法に切り替える。

今回は最終的に、かなり全身を支える形での歩行になりました。
それでも、肘に手を置いて歩ける感覚だけは、なんとか維持していきたいと感じています。

歩行支援には、成功だけでなく失敗もあります。

でも、その失敗の中にこそ、その方の今の状態を知る大切なヒントがあります。

何に不安を感じるのか。
どこで力が入りすぎるのか。
どの支え方なら安心できるのか。
どの方法だと逆に緊張してしまうのか。

そうした一つひとつの観察が、次の支援につながります。

私は、訪問リハビリマッサージの現場で、ただ歩かせることだけを目的にしているわけではありません。

その方が少しでも安心して、少しでも自分の力を使い、少しでも前に進めるように。
そのために、毎回の施術と歩行支援の中で、観察し、試し、修正しています。

今回の紐を使った歩行支援は、うまくいったとは言えません。

しかし、だからこそ大切な学びがありました。

支えすぎてもいけない。
握らせすぎてもいけない。
安心を作るつもりが、緊張を作ることもある。

この反省を、次の歩行支援に活かしていきたいと思います。

ご利用者様が、少しでも安心して、自分の足で人生を前に進めるように。

これからも、一つひとつの現場から学びながら、歩行改善の支援を続けていきます。

訪問リハビリマッサージ エンゲルハント
歩行改善コンサルタント
竹下晃

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